黒ごまと白ごま、栄養価は同じ?

ごまにはさまざまな種類があり、日本では黒ごまと白ごまが一般的ですが、茶ごまや金(黄)ごまも存在します。世界にはさらに多様な品種があり、同じ黒ごまでも赤みを帯びたものや茶色に近いもの、白ごまの中にも黄色っぽいものなどがあります。
日本に輸入されるごまの種類
現在、日本国内でのごま栽培は九州の一部などに限られ、ほとんどが輸入に頼っています。主な輸入国はインド、中国、アフリカなどで、それぞれの地域で特徴の異なるごまが生産されています。日本では、これらのごまの中から風味や食感が日本人の口に合うものを厳選して輸入しています。
黒ごまの方が栄養価が高い?

近年、「黒ごまの方が栄養価が高い」という説が広まり、健康食品にも黒ごまが多く使われています。実際、「ごまは黒ごまに限る」「栄養豊富な黒ごまを使用」といった宣伝が多く見られます。
この黒ごま優位説には歴史的な背景があります。中国では古くから黒ごまの方が価値が高いとされ、日本にもその考え方が伝わりました。江戸時代の本草学者・貝原益軒は、「黒ごまは上品な薬」と述べ、中国の薬学の影響を受けた本草学者の中にも「黒ごまが白ごまより優れている」とする人がいました。こうした中国の考え方が、日本にも定着したと考えられます。
科学的な栄養価の違い
実際には、ごまの基本的な栄養価はどの色でも大きな違いはありませんが、黒ごまには特に高い栄養素がいくつかあります。
✅ 黒ごまの特徴
- アントシアニン(抗酸化作用)を含む → 老化防止や目の健康をサポート
- カルシウム・鉄分が豊富 → 骨の健康維持や貧血予防に役立つ
- 油分がやや多い → エネルギー補給に向いている
- セサミン・ビタミンEを含む → 健康維持をサポート(※白ごまにも含まれます)
✅ 白ごまの特徴
- セサミンやビタミンEを含む → 体の調子を整える成分(※黒ごまにも含まれます)
- マイルドな風味で料理に馴染みやすい
ごまの栄養成分は色に関係なく優秀

ごまは、油脂、タンパク質、食物繊維、各種ビタミン、ミネラルなどを豊富に含み、どの色のごまでも健康効果は十分に期待できます。特に、ごま特有の健康成分であるセサミンは黒ごま・白ごまの両方に含まれており、肝機能のサポートや抗酸化作用が期待されています。
黒ごまは栄養価がやや高いが、
白ごまも栄養豊富!
黒ごまはアントシアニンやミネラルが豊富で健康志向の方におすすめですが、白ごまも栄養豊富で料理の風味を引き立てる特徴があります。料理や好みに応じて選び、日常的に取り入れることで、健康維持に役立てましょう。