セサミンたっぷり黒ごま健康法の黒ごま本舗

アーユルヴェーダにおけるごまの役割

2025-05-21
アーユルヴェーダにおけるごまの役割

インドで古くから重んじられてきた伝統医学「アーユルヴェーダ」では、ごまは特別な存在とされてきました。アーユルヴェーダは、紀元前2500年頃にその源流があるとされる、世界最古の医学体系のひとつです。サンスクリット語で「アーユス(生命)」と「ヴェーダ(知識)」を意味し、単なる医療にとどまらず、食事・睡眠・心のあり方など、日々の生活全体を含む“生命の科学”として位置づけられています。

このアーユルヴェーダにおいて、ごまは食用や燃料としてだけでなく、神への供物や健康維持の手段としても重宝されてきました。特に、ごまから採れるごま油(セサミオイル)は、心身を整えるためのオイルとして「最も優れた油」とされ、さまざまな場面で利用されてきました。

具体的には、ごまは肌や毛髪の状態を整え、体力を養い、老いを穏やかにし、四肢の健やかさを保つほか、女性の身体機能を整えるといった点で重要な役割を果たすとされています。さらに、日々のケアや滋養の一環として、ごま油はアーユルヴェーダ式のオイルマッサージ(アビヤンガ)に使われ、心身のバランスを取り戻すために用いられてきました。

アーユルヴェーダでは、人の健康は「ヴァータ(風)」「ピッタ(火)」「カパ(水)」という3つの生命エネルギー(ドーシャ)のバランスによって保たれていると考えられています。このバランスが崩れると「アーマ」と呼ばれる毒素が蓄積され、病気や老化を引き起こすとされます。ごまやごま油は、特にヴァータの過剰による乾燥や冷えに働きかけ、体を温めて潤し、エネルギーの調和を取り戻す助けとなると伝えられています。

興味深いのは、こうしたアーユルヴェーダの理論が、現代における酸化ストレスや活性酸素の考え方とも通じる点です。体内のバランスが崩れることで老化や病気が進行するという認識は、科学的な観点からも注目されるようになってきました。もちろんアーユルヴェーダが活性酸素という科学概念を知っていたわけではありませんが、人の身体と自然との関係を深く洞察し、経験的に「毒素」や「老化」を捉えていたことには、大きな知恵が感じられます。

こうした背景から、ごまはアーユルヴェーダにおいて「生命を支える植物」として大切に扱われてきました。インドにおける長い歴史とともに、信仰・栄養・癒しのすべてを支える存在として今も多くの人々の暮らしに根づいています。



最新の豆知識

過去の豆知識

カテゴリー

タグ