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神への供物としてのごま

2025-06-18

🌾 神々に捧げられた穀物 ― ゴマと古代の神事

『延喜式』には、遣唐使が練りごまを薬として持ち帰った記録のほかにも、ゴマがさまざまな神事に用いられていたことが記されています。

その代表が、毎年11月23日に全国の神社で行われる「新嘗祭(にいなめさい)」です。
その年に収穫された新しい穀物を神々に供え、感謝を捧げるこの祭りは、現在も宮中行事として続けられ、天皇自らが神に新穀を供え、口にされることで知られています。

『延喜式』には、この新嘗祭で神に捧げられる穀物として米・麦・大豆と並び「ゴマ」の名が記されています。
つまり、ゴマは古代日本においてすでに、神に捧げる特別な穀物=神聖な作物として扱われていたのです。

🏮 仁王祭や地方神事にも登場する“ゴマ”

新嘗祭以外にも、宮中で執り行われた「仁王祭」では、国家の安泰と国民の幸福を祈る儀式の中で、ゴマが列席する僧侶たちに“賜りもの”として配られました。

また、天皇家だけでなく、地方の神社においても、ゴマは神に供える神聖な食材として数多くの神事に登場しています。
このことからも、ゴマが古代の日本人にとって「神に通じる穀物」として特別な意味を持っていたことがわかります。


⚔️ 天皇から武士へ ― 権力の移行とゴマの価値

やがて時代が下り、権力の中心が天皇から武士へと移ると、その希少で高価なゴマの価値に目をつけた人々が現れました。
ゴマやゴマ油は庶民には手の届かない贅沢品であり、その販売を許された者たちは大きな利益を得たと伝えられています。

奈良時代にはすでに国内での栽培が広まり、中国や朝鮮半島に近い九州地方、そして近畿・河内(現在の大阪府東部)などが産地として知られるようになります。

そして江戸時代に入ると、戦乱が収まり平和な世が続いたことで、次第にゴマは庶民の口にも届く食材となっていきました。
とはいえ、依然として高価で貴重な食品であり、庶民にとっては特別なごちそうであったことに変わりはありません。

🌿 古代から受け継がれる“神聖なる食材”

古代の日本で神々に捧げられたゴマは、時代を超えて、今も私たちの食卓を支える健康の象徴となっています。
毎日の食事にゴマやゴマ油を取り入れることは、古来の人々が大切にしてきた「自然への感謝と調和」を現代に受け継ぐことでもあります。

神々の供え物として尊ばれたゴマは、今日では、私たちの健康をやさしく支える身近な食材。
古代からの知恵を、日々の暮らしに上手に取り入れていきたいですね。