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ゴマが、実験マウスの老化を防いだ

2025-10-08
ゴマが、実験マウスの老化を防いだ

老化の原因「活性酸素」にゴマはどう作用するのか

私たちの体は、年齢を重ねるとともに少しずつ老化していきます。
その大きな要因のひとつが「活性酸素」。
細胞を酸化(=サビつかせる)させ、しわ・シミ・疲労・生活習慣病などを引き起こす原因になるといわれています。

では、この活性酸素に対して、ゴマはどのように働くのでしょうか。
ゴマに含まれる抗酸化物質の力を明らかにするために、1990年代後半頃、その疑問に答えるための興味深い実験を行ったのが、椙山女学園大学の山下かなへ博士(当時教授)です。

🐭 実験:老化を早めるマウスで“ゴマの力”を検証

山下博士は、遺伝子操作によって通常より老化の進行が早いマウス(老化促進モデルマウス)を2つのグループに分けて実験を行いました。

  • Aグループ:通常のエサのみ
  • Bグループ:通常のエサに20%のゴマを混ぜたもの

この状態で7か月間飼育し、どのような違いが現れるかを観察しました。

👀 結果:ゴマを食べたマウスは若々しさを維持

結果は、見た目にも明確な差が出ました。

  • ゴマを食べなかったマウスは、4か月を過ぎるころから毛づやが悪くなり、毛並みもボサボサ。
    目の周囲に潰瘍ができるなど、明らかに老化が進んでいました。
  • 一方、ゴマ入りのエサを食べていたマウスは、毛並みがツヤツヤと輝き、動きも活発。
    老化の兆候はほとんど見られなかったのです。

7か月後の実験終了時には、その差はさらに顕著になり、ゴマを食べたマウスはいまも若々しく、元気なままでした。

🧫 肝臓の細胞でも“酸化ダメージの違い”が

実験終了後、マウスの肝臓の細胞を分析したところ、ゴマを食べたマウスの肝細胞には、過酸化脂質(酸化の指標)が非常に少ないことがわかりました。

過酸化脂質は、年齢とともに体内で増加する物質で、細胞を老化させる“酸化ストレス”の代表的なマーカーです。

肝臓は特に活性酸素が発生しやすい臓器であるため、この部分で差が出たということは、ゴマが強い抗酸化作用を発揮している証拠といえます。

🌿 ゴマリグナンの働きがカギ

山下博士はこの結果を、自身の著書『胡麻のパワー』(メタモル出版)でこう述べています。

「この違いは、ゴマに含まれる抗酸化物質『ゴマリグナン』の働きによるものではないか」

さらに博士は、ゴマリグナンそのものを用いた実験も実施。
その結果、やはりゴマリグナンに老化防止効果があることが確認されました。

つまり、ゴマが持つ若々しさの秘密は、その中にごくわずかに含まれるゴマリグナン類(セサミン・セサモリン・セサミノールなど)の力にあるのです。

💡 自然の恵みで“細胞のサビ”を防ぐ

この実験は、ゴマが単なる栄養食品ではなく、体の酸化=老化にブレーキをかける天然の抗酸化食材であることを示しています。

「食べるアンチエイジング」ともいえるゴマの力。
毎日の食事に少しずつ取り入れることで、体の内側から若々しさを守るサポートが期待できます。

また、ゴマに含まれるゴマリグナンを効率よく摂取したい場合には、吸収性を高めた黒ごま健康法を活用するのも一つの方法です。
毎日続けやすく、体のリズムを整える心強い味方となるでしょう。マリグナンは老化抑制だけでなく肝機能のサポートや生活習慣による酸化ストレス対策など、多方面での可能性が期待されるようになっています。今日では、この知見を応用し、ゴマリグナンを抽出したサプリメントや健康食品が登場し、現代人の健康維持を支える存在となっているのです。