「セサミン」だけじゃない!ごまリグナンのすごい働き

ごまの力を支える“もうひとつの主役たち”
「ごま=セサミン」と思っている方も多いかもしれません。
確かにセサミンは、肝臓で強い抗酸化力を発揮することで知られています。
しかし実は、ごまの中にはセサミン以外にも重要なごまリグナンが存在しているのです。
それが、「セサモリン」「セサミノール」「セサモリノール」など。
いずれもごまのわずか1%前後に含まれる希少な成分ですが、それぞれが異なる形で、私たちの健康を支える力を持っています。
🔬 ゴマリグナンは100年以上前から知られていた
ゴマリグナンの存在自体は、100年以上も前に発見されていました。
しかし、その働きや体への影響は長く謎のままでした。
ところが近年、大学や研究機関での調査が進み、少しずつその“正体”が明らかになってきたのです。
その結果、「セサミン」が体内の活性酸素を抑える働きを持つことがわかり、さらに、「セサモリン」や「セサミノール」などもそれぞれ異なる場面で抗酸化力を発揮していることが確認されました。
🧪 セサモリン → セサミノールに変化するごまの“防御メカニズム”
興味深いことに、「セサモリン」はごまがごま油に加工される過程で「セサミノール」へと変化します。
この「セサミノール」こそが、ごま油が酸化(劣化)しにくい理由です。
他の植物油と比べても、ごま油は長持ちしやすく、その秘密がこの天然の抗酸化物質・セサミノールにあったのです。
さらに、試験管内での実験では、セサミノールが肝臓の細胞を酸化から守る働きを持つことも確認されています。
つまり「セサモリン」と「セサミノール」は、ごま油になる段階でも酸化を防ぎ、体の中では**長期的に抗酸化力を発揮する“持久型のリグナン”**といえるのです。
🔥 熱で生まれるもうひとつのリグナン「セサモリノール」
加熱によって「セサモリン」は「セサモリノール」に変化します。
この変化によって、ごまは加熱調理後でも抗酸化力を保つと考えられています。
つまり、ごまは“生でも、油にしても、加熱しても”抗酸化物質がしっかり働くようにできているのです。
まるで自然が作った、完璧なバランスの栄養設計といえます。
⚖️ 結局、主役はやっぱり「セサミン」
ごまリグナンの中で最も多く含まれているのは「セサミン」。
体内に入ると、ほとんどの時間は眠ったまま
肝臓に届いた瞬間にだけ覚醒し、活性酸素を抑え込むという特性を持ちます。
一方で「セサモリン」「セサミノール」「セサモリノール」は、体の外(食品の酸化防止)から内(肝臓・細胞保護)まで、幅広くじっくりとサポートするタイプ。
つまり、これらの成分はそれぞれ役割が分担されており、ごまという小さな種の中に短期戦のセサミン×長期戦のセサモリン系リグナンが共存しているのです。
誰かが設計したわけでもないのに、ここまで見事に“役割分担”ができている
まさに自然の神秘そのものです。


